蝉 2

JUGEMテーマ:日記・一般

 「幼虫として土の中でじっとしてる時、蝉はよもや自分が空を飛べるようになるとは思ってないんだろうなって。」

そんなわけで3年目で何とか剪定が出来るようになっていました。前年までに教科書通り剪定してある樹だけ剪定可能といわば限定免許を取得した状態でした。一年一年の積み重ねで剪定技術は向上していきました。

そんな時、知人の依頼で他人のブドウ園の剪定をする事になりました。今まで見た事のないような樹形で、唐傘作りの変形、主枝は確立されていなくて、古づるが大変なことになっているブドウ園でした。先輩のアドバイスを聞きながら剪定を進めようとしましたが、一向に作業が捗らないで気ばかり焦っていたのを覚えています。一体どうすればこういう樹形になってしまうのか不思議でたまりませんでした。それと同時に、基礎の大切さを改めて感じました。自分の畑だけで仕事をしていれば、こうした考えをすることもなかったでしょう。その経験は、私自身の技術向上には大いに役立ちました。
他人からお金をいただいて勉強させていただいた訳ですから、今では逆に感謝の気持ちで一杯です。その頃は、山梨県果樹園芸会のブドウ部の研修に出席をしながら、土屋長男先生などの著書を読み研鑽をつんでいました。「誘引」という言葉の意味も知らない初心者が「若手の農業青年」になるまで5年の歳月を要しました。

今まで質問ばかりしていた私に少しずつではありますが、質問されるというか意見を求められるようになってきました。その後、2年の派米研修を終え栽培の基本的なことはほぼ理解し実践できるようになっていました。約10年の月日が流れ自分なりに学んできた中で、どうしても克服しなければならない壁がありました。

それは「土」のことです。明確な方向性を示してくれる人は現れませんでした。その後の試行錯誤があったものの結果的には一定の考えに達するまで10年かかりました。一番難しいと言われる剪定が3年ですから、土への配慮がいかに難しいか想像できるでしょう。ブドウはあまり肥料がいらないが肥料をやる事で樹勢が強まり、その樹勢を落ち着かせるために樹冠を拡大し、拡大した樹勢を維持するために肥料をやるということに大きな疑問を持っていました。

何時頃だったのか、はっきりした記憶がありませんが「キングデラ」の視察で、あの土屋長男先生にお会いしお話を伺うことができました。それが最初で最後の出会いになってしまったのですが、私にとっては新たなスタートの日となりました。3へ続く


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